0015_21_01_18 バンダーリ・ラジャン Bhandari Rajan

0015バンダーリ・ラジャン

じつは、私の知り合いのボーイフレンド。「なにしてる人?」って聞くと、「歯のホワイトニングサロンやってます。」というので、「じゃあ、今度お願いしようかな。」ということから出会い、ネパール人というわりには日本語ペラペラだし、若いのにホワイトニングサロンを経営しているというので、とても興味が湧いてインタビューをお願いした。話を聞くと、とても聡明で瞬発力があり、その上無邪気な上に野心的で、将来が楽しみな23歳のスタートアップ起業家。

伊島薫

お母さんが14、15歳くらい、お父さんはもう少し上で結婚しました。

伊島 まずはお名前を教えていただけますか。

ラジャン 名前はバンダーリ・ラジャン。アルファベットで bhandari rajan です。

伊島 出身、年齢、生年月日もお願いします。

ラジャン 1997年6月20日産まれ 23歳です。出身国はネパールで10歳の時日本にきました。ネパールに10年日本に13年になります。

伊島 10歳の時に日本に来た理由は?お父さんとお母さんと一緒に来たの?

ラジャン お父さんは30年近く日本にいます。

伊島 お父さんはネパール人?

ラジャン ネパール生まれの国籍はインド人です。

伊島 30年前日にお父さんが日本に来た理由は?

ラジャン もともとインドで働いていて、日本でインド料理店を始めるためにお父さんが先に日本に来て、インド料理店の経営が安定した時、お母さんが来て、お姉ちゃんが来て、その後僕が来ました。一緒に来たというより別々でした。

伊島 お父さんとお母さんはどこで知り合っていつ結婚したの?

ラジャン ネパールで若い時に知り合ってお母さんが14、15歳くらい、お父さんはもう少し上で結婚しました。

伊島 すごく若いですね。ということは恋愛結婚というよりは…?

ラジャン そうですね。親同士が決めていてインドで結婚しました。お父さんは11歳くらいからネパールで働いていて、実家に帰ってきたときに結婚しようとなった。

稼いだお金を家族に仕送りする方法っていうのが、自分で直接渡しに行くしかなかった。

伊島 お父さんはもともとネパール生まれのネパール人で11歳くらいからインドに働きに出たということ?

ラジャン 11歳くらいまでネパールで働いていて、資金をためてインドに行って、それからずっとインドで働いていたんですけど、そこでインド国籍を取った感じです。

伊島 もとはネパールで産まれたんだけど、自分で働きながらお金をためてインドに行って、インドで働きながらインド国籍を取得したんだ。

ラジャン そうですね

伊島 なるほどね、だんだんわかってきました。インドからネパールに戻ったのは結婚するため?

ラジャン その当時のネパールには銀行とかがなくて、稼いだお金を家族に仕送りする方法っていうのが、自分で直接渡しに行くしかなかった。それで何度か行き来していて、たまたま帰った時に結婚して、それでまたインドの仕事に戻るって感覚だと思います。

伊島 それは十代の後半くらいということですよね。

ラジャン そうですね。17、18くらいの時です。

伊島 それはつまり、お父さんの両親が、あなたはこの人と結婚しなさいって決めたってことだ。

ラジャン そうですね、ハイ。

伊島 今でもそんな感じなの?

ラジャン 今はそんな感じじゃないけど、昔はそうでしたね。

伊島 そのころはそういうのが当たり前だったわけですね。

ラジャン そうです。僕のおじいちゃんが住んでいたのが村というか、山奥というか、文化が入って来ない昔ながらの考え方が続いていたような場所でしたから。今ならネットも普及していて、恋愛結婚も当たり前になっているんですけど、当時は結婚するとなったらその村の中からっていうのが決まっちゃってたということです。

伊島 今でもその村はそういう感じなんですか。

ラジャン 今もう若い人たちは住まないですね。稼ぎに出たりとか。

お父さんは日本語がぜんぜんできなくて契約書も読めないんです

伊島 なるほど。兄弟は?

ラジャン 3人連続女の子で最後に僕です。

伊島 最初にお父さんが日本に来たのは、インド料理店をやるということで?

ラジャン そうですね お父さんが来た時にはまだあんまりインド料理店ってなかったんですよ。そこで群馬県に最初お店を出して次に東麻布、という感じで広げていった。

伊島 何店舗もあるんだ。

ラジャン 全部で10店舗くらいあると思います。店を作って安定したらは売却して、というのを繰り返しながら増やしています。

伊島 凄いね、

ラジャン お父さんは日本語がぜんぜんできなくて契約書も読めないんですけど、そう考えるとけっこう凄いと思います。

伊島 そうだよね!それはすごい。あなたが日本に来た時お父さんはどこで店をやってたの?

ラジャン 僕が来たときは荒川区と千代田区と港区に1店舗ずつあった気がします。

伊島 お母さんがこっちに来たのはあなたがいくつの時?

ラジャン 僕が7、8歳の時にお母さんは日本に来ました。

伊島 ネパールで一緒に暮らしてたお母さんが日本に来ちゃった後は?

ラジャン おじいちゃんと暮らしてました。引っ越ししたといっても徒歩3分くらいの所で、お母さんが居たころからおじいちゃんと住んでたので「お母さん、いないなぁ。」くらいの感覚でした。おじいちゃんとしばらく住んだ後、ネパールの首都カトマンズの学校に移ったんです。そこでは2年くらいお姉ちゃんに面倒見てもらって一緒に暮らしていたんですけど、お母さんがもう日本に来たらってことになって日本に来ました。

伊島 お姉ちゃんも一緒に日本に?

ラジャン 最初に日本に来たのは2番目のお姉ちゃんです。日本だと学校は小学校6年中学校3年高校3年間だけど、ネパールでは最初の学校が10年制で、そこで義務教育が終わって高校に行くか違うことをするか選べるんですけど、その時に日本に来ればいいんじゃないってことで2番目のお姉ちゃんが最初に来て、その1年後くらいに僕が日本に来ました。

伊島 あと2人のお姉ちゃんはそのままネパールに?

ラジャン 1番上のお姉ちゃんはネパールの大学が終わってから。3番目のお姉ちゃんは自分の学校が終わってから日本へ来ました。

伊島 いまは家族全員日本にいるわけですね。

ラジャン はい。全員東京で一緒に住んでます。

伊島 全員一緒に住んでるってことはお姉ちゃんたちはまだ結婚してない?

ラジャン 1番上のお姉ちゃんは結婚してるんですけど、旦那さんはネパールにいます。

伊島 ネパールでは結婚しても1人で仕事に出るのが当たり前なのかな。

ラジャン 家族を持っていたりするとネパール国内で稼いでやっていくのが難しくて、海外で稼いで仕送りするっていうのが一般的です。

伊島 10歳くらいで日本に来てから、住んでるところはずっと一緒?

ラジャン 最初は荒川区の南千住で、今は港区芝浦のマンションです。

伊島 そこでお父さんお母さんお姉ちゃん3人とラジャンで住んでるんだ。

ラジャン はい。結婚したお姉ちゃんはネパールにも家があって、旦那さんがそこで日本料理店やってます。

伊島 お父さんが日本でインド料理店、お姉ちゃんの旦那さんはネパールで日本料理店というのは面白いね。お父さんのお店はいま東京に何件あるの?

ラジャン 東麻布と芝にあります。もうじき3店舗目ができます。「インド料理スーリヤ」という名前です。

伊島 今度行ってみます。インド料理好きな人も増えてるし、僕も昔から好きだから楽しみだな。次はどこに?

ラジャン 東京駅の地下が繋がって駅直結になる日本橋タワービルの中に入ります。

伊島 凄いねお父さん。

ラジャン 頑張ってます。コロナでけっこう予定が崩れてるところがあるので不安ですけど。

伊島 今飲食店は大変だと思うけど…

ラジャン 8時に閉めてくださいっていうのには従っていて、テイクアウトは増えてますけど、芝の店はオフィスエリアなので出勤する方が減っているのでそっちは影響が大きいですね。

伊島 けっこう大変そうだね。

ラジャン けっこう大変ですね。

普通に予約しただけなのに名前で怒られた

伊島 今の日本にはインド料理店やネパール料理店、そのほかにもエスニック料理店がたくさんあって、そういう人達にもいろんなバックグラウンドがあると思うんだけど、そんなこと考えずに食べに行って気にもかけないで美味しかったねって帰って来てたけど、話を聴いてみるといろいろ面白いね。

ラジャン 今って法律が変わってお店を作りやすくなったんですよ。昔は外国人の法人化が難しかったんですけど、日本が受け入れを頑張っていて、外国人でも事業を立ち上げたり、会社を作りやすくなったから、ばっと増えました。以前は資金がちゃんとあったり保証人がついてないとダメとか、すごく厳しい条件があったんですけど、株式会社もゼロ円からできるし、外国人だからって保証人いらないですよって感じで増えました。だからインド料理店もすぐに出せちゃう。

伊島 いつからそういうふうになったんだろう?

ラジャン 2005年くらいです。それからそれを知った外国人が日本にたくさん入ってきて、働きやすい日本になりました。昔だったらビザの期限も決まっていて、会社を作ってもビザが更新できないと会社を潰すしかなかったけど、そういうこともゆるくなりました。日本に来る理由として留学生だったりコックさんだったりって、いろんな項目があるんですけど今だと留学生のビザでもお店が作れる。それで安定したらビザを永住権に変えたり3年のビザ新しく取得できたり。

伊島 それは意外でした。日本も今は外国人に対して門戸を開いてるわけですね。

ラジャン そうですね。前に比べるとけっこうゆるいです。

伊島 13年間日本にいるわけだけど、10歳で来た時は小学生だよね。

ラジャン 最初来た時は小学校4年生で、日本語はまったくわからなかったです。最初は1ヶ月くらいで一度帰ったんですけど、2回目も1ヶ月くらいしたら帰るのかなと思ってたら、来て2週間で「学校に行きなさい」って言われて小学校に行ったけどなにも話せない。その時は日本の学校には外国人が学校に1人位しかいなかったんですよ。なによりみんな珍しい。けどなにを話したらいいかわからないって感じでした。先生も英語が出来なくて、3ヶ月くらいして英語が出来る先生が来てくれたて、別の教室でひとり日本語の授業を英語で受けてました。

伊島 日本に来たときは英語で日本語を教わって、どれくらいで日本語を喋れるようになったの?

ラジャン 簡単なことは1年くらいで話せるようになりました。難しい単語を使えるようになったのは中学2、3年生で4年くらいです。

伊島 今話しててもぜんぜん違和感はないよね。この録音を聞いてるだけだと日本人と喋ってるようにしか思えないだろうな。

ラジャン 実際、高校の時カラオケ店に電話予約した時、普通に話して、最後に名前と電話番号教えてくださいって言われた時、ふざけないでくださいって怒られた。ふざけてないんですよね(笑)。高校生がイタズラで予約してるって思われて、普通に予約しただけなのに名前で怒られたことがありましたね。

伊島 それはつらいね。高校から先はどうしたの?

ラジャン 水道橋にある昭和第一高等学校を卒業して幕張の神田大学を去年の4月卒業しました。

見つけた所に19日に行って、20日に契約しました。

伊島 卒業してから今はどうしてるんですか?

ラジャン ホワイトニングサロンやってます。

伊島 歯のね 私も行かせてもらいました。それは卒業してすぐはじめたの?

ラジャン 卒業してすぐにやりたかったのは人材派遣系の会社立ち上げたくて、2月から書類作ったり準備してたんですけど、そしたら3月くらいからコロナがばぁーっと広まって、弁護士さんや税理士さんに話をしたら「今はやめた方がいいと思います、法人設立したとしても税金がかかるだけできびしいと思います。」って話しをされて、その通りすごい広まって緊急事態宣言が出たり、飛行機が止まったりして「良かったぁ」って思って、そこから4月と5月はずっと家にいました。

伊島 なにもしないで?

ラジャン なにもしないで。なにもしないっていうのがめちゃくちゃ嫌いで、僕は常になにかしていたいんですけど、この2か月間だけはホントにずっと家にいましたね。なにかすぐに出来ることないかなと思って調べていたら、ホワイトニングが流行ってることを知って勉強がてらやってみました。

伊島 それで始めたんだ。

ラジャン ホワイトニングサロンをやろうと思って、実際に立ち上げるまで10日間くらいなんですよ。だからホントにパッとやっただけ。

伊島 4月5月と家にいて、なんかやることないかなって思ったらホワイトニングが流行ってるからこれをやってみようと思って10日間で?

ラジャン 6月10日くらいになんかやることないかなって調べて、ホワイトニングが流行ってるって知ってじゃあやるかとなって、物件とかを調べてて、6月20日が僕の誕生日なんですけど、6月20日までにはここでやるってのを決めたくて、そうすれば22歳の内にやったことになるので、速攻でサロンの店舗とかネットで調べて、見つけた所に19日に行って「明日には契約したい」って言ったら「ええ!そんなすぐでいいんですか?」って言われたけど、「じゃあ明日、お願いします。」って20日に契約しました。

伊島 それで物件を契約して、機械とか資材は?

ラジャン 調べたらホワイトニングネットっていう所が日本でもトップクラスだっていうのが出てきて、それを速攻で見に行って試作品も見せてもらって、実際にやり方も全部説明してもらって、それでパッと決めて買って帰りました。

伊島 すごい行動力だね。

ラジャン もう早くやりたくて。7月1日にはなにかやるってことを先に決めてたので。7月1日にはオープンしてました。

伊島 6月10日に思いついて20日に物件契約して、で7月1日にオープン。すごいな!でもオープンしたのはいいけど、お客さんはどうやって呼んだの?

ラジャン 7月1日より前にオープンしますって宣伝ができなくて、集客で悩んでたんですけど、インスタグラムは広まるのが速いことを知っていたので、1日から4日にフォロワーの多いインフルエンサーをいっぱい呼んで、パアッとインスタで広めてもらったら1ヶ月に300人くらいは集客できました。

伊島 インフルエンサーはどうやって集めたの?

ラジャン 知り合いです。こことここが繋がってるわ。じゃあこれお願いできる?って感じです。

伊島 それでその人達にお店の紹介してもっらった。

ラジャン そうですね。「インスタグラムに写真1枚載せてくれればホワイトニング全部無料にします。」っていう集客方法だけをやって、8月1日からはホットペッパー・ビューティーっていうクーポンサイトと契約して、そこから集客を増やしました。

伊島 1ヶ月300人っていうのは7月の最初の月に?

ラジャン そうですね。7月の10日には7月分の予約は全部埋って、8月も予約があって、「うまくいった!」って感じでした。

伊島 すごいなぁ!ちょっと待って8月9月10月…まだ半年くらいだよね。もうその調子でバリバリお客さんは入ってるの?

ラジャン そうですね。最初は新規のお客さんからお金をいただいていたから、来月の売り上げがいくらになるかわからないという状態だったんですけど、それが嫌だったのでサブスクリプションを導入してからは安定期に入って1日7、8人くらいは予約が入ってます。

伊島 素晴らしい。今、人は雇ってるの?

ラジャン 1人だけ雇ってます。でも僕自身、家にいてもやることがないのでお店に行きます。なにもやらないっていうのがホントに嫌いで、常になにかしらやっていたいんですよ。

日本語を話せる外国人と日本語を話せない外国人の間に

通訳を1人置いておくだけで問題は解決できちゃう。

伊島 またなにか違うことを始めそうだね。

ラジャン はい。3月1日から人材派遣とWebサイトの制作と、あと通訳をやろうと思います。

伊島 すごいなぁ

ラジャン 常になにかやっていたいんです。ひとつなにか作っても満足できなくて、安定し始めたらすぐ次のことをやって、そんな忙しい自分を見ていたいです。

伊島 インド料理屋とかネパール料理屋はやろうと思はかった?

ラジャン どこかでお父さんに言われるだろうなと思ってましたたけど、高校の頃に経営者になりたいって言ったら、お父さんはなにをやろうと好きにすればいいって感じで、そこは強制的なことは言わなかった。大学に入った時くらいから日本にも外国人が増えてきていて、そんな人たちが日本に来てから「仕事が欲しいけど見つからない。」じゃなくて、日本に来る前に会社と話しておけば日本でも生活できるよっていう、土台があれば楽なんじゃないかと思って、その枠組みを作りたい。日本に来る方法はいっぱいあって 日本って積極的で誰でも来れるというルートがあるから。

伊島 例えばどんな方法?

ラジャン あるひとつの仕事に特定すれば、日本で好きなだけ5年間は働けるという法律があって。これはテストを受けるんですけど、そのテストもどういった問題が出るか政府がテキストにしてくれていて、このテキストを勉強すれば合格率70%って言われているんですけど、これを知ってる人は日本に来てる人の6%くらいしかいないから、残りの94%に受けさせられたら凄く入りやすくなる。日本で資金を作って自分の国でビジネスをするっていうのはありかなと思う。

伊島 人材派遣のビジネスというのは、日本で働きたい外国人を呼んで仕事を紹介するっていうことだ。

ラジャン そうですね。マッチングさせる形です。日本は少子高齢化で人手が足りていない所が多いので、そういった働き手を探してる人達との間に入って、仕事の紹介、ビザの手続き、日本で住む家、サービスをうちがやるからってマッチングさせる。

伊島 あなたは日本に来て10年以上住んでいて日本人と変わらないくらい日本語喋れるけど、いきなり日本に来た外国人の言葉の問題は?

ラジャン 運送業の会社代表の人と話す機会があって、そういう場合どうすればいいか話した時 日本語を話せる外国人と日本語を話せない外国人の間に通訳を1人置いておくだけで問題は解決できちゃう。例えば運送業に10人派遣したら、その中の1人だけでも日本語と外国語を話せれば、そこで伝えられる。

伊島 派遣してほしい会社が1人雇うのにもう1人通訳を雇うんじゃなくて、10人雇ってくれれば1人は通訳としても働ける人を一緒に紹介しますってことだ。

ラジャン そうすれば問題は解決するかなと。あと海外だと日本に来るのが流行っていて、日本は働きたい国ランキング2位なんですよ。日本語学校も海外には多くて、あらかじめ海外の日本語学校に行って、ここを卒業した生徒はうちが雇いますよってなれば日本語の問題解決にもなると思う。日本語学校で勉強してる人は日本で働きたいって想いがもともとあるので、そういった人を卒業後うちが引き受ければ問題解決になる。

伊島 なかなか面白いね。凄いな。カンブリア宮殿みたいな話になってきた。カンブリア宮殿って知らない?村上龍がいろんな業界で成功してる人にインタビューする番組。もう成功者ですね。

ラジャン 挑戦者です。もう何人かは既に会っていて、学校側も宣伝につながるし「うちの学校卒業したら日本で働ける」って言えるから学校側からしたら「良いんですか!?」って言われます。

伊島 そりゃそうだ。

ラジャン みんなプラスになるし、すごくいい状況。

伊島 今考えてるのはまずはネパール?

ラジャン まずはネパールですね。でもホントはネパールの前にミャンマーとかベトナムに行きたいんですけど、そっちの繋がりがないので、それをどうやって作るか考えてます。

伊島 働きたい国2位っていうのはネパールでってこと?

ラジャン 全世界で2位だったと思います。1位はカナダだったと。日本って平均で見ると給料が良い方で、かつ安全だからだと思います。海外だと外国人っていうだけで差別を受けたり、治安の悪い所で働く選択肢が出てきちゃう。日本だとそれがなくて、そういう意味で日本は人気なんだと思います。

伊島 確かに働ける日本人の数が減っていて、コンビニとかファミレスなんか外国人の店員がすごく多いよね。だけどこのコロナの状況ではどうなってくんだろう。

ラジャン これを作ろうと考えたのが大学4年生なので、コロナとかない状況で、これを作れたら相当な外国人を呼んで来れるかもしれないって思っていたけれど、コロナになっちゃって。

伊島 外国人労働者にとっても一番きつい時期かもね。

ラジャン 実際に職を失った外国人ってけっこういると思うけど、これも逆にみるとチャンスで。そういう人って新しい仕事を見つけづらいから「仕事失った人の面倒見ます」って言えるだけで新しいビジネスで作れるんじゃないかなと思ってます。

一度地球を外から見てみたいんですよね。

伊島 将来の展望は?

ラジャン 28歳で仕事全部辞めたいしか思ってない。

伊島 辞めてどうするの?

ラジャン 田舎とかで暮らしたいんですけど、その為にこの5年間は死ぬ気でやんないと。

伊島 田舎ってのはどこ?

ラジャン 海外のもう凄い人が居ない山奥。

伊島 絶対無理だと思う。一週間で戻ってきそう。それで結局なにかやってそう(笑)。

ラジャン 確かに無理です。一人がまず無理だし(笑)。あともう一つの夢は、宇宙に行ってみたいです。それはずっと思ってます。

伊島 「世界の前澤」みたいな(笑)。

ラジャン もっと簡単に行ける時代が来るんじゃないかって期待していて。

伊島 今、まだ23歳だからまだまだその可能性あるよね。

ラジャン その時にいつでも仕事休める状態にしとかないと、訓練とかあるかもしれないんで。

伊島 あなたなら出来そうだね。僕はこの先もしそんな時代が来たとしても行きたくはないな(笑)。

ラジャン 一度地球を外から見てみたいんですよね。

伊島 綺麗だろうね。

ラジャン 宇宙のことが好きすぎてめっちゃ勉強してます。

伊島 そうか、それはいいな。他には?

見た目も同じ、顔の濃い薄いもなければ黒白もない、全部がミックスして、

言語も通貨も統一できれば差別する要素がない

ラジャン 宇宙に行った後は、すごくデカいことを言うようですけど、出来れば国籍をなくしたいんです。外国に行くためにはビザの申請が必要っていう国境をなくす。みんな地球人みたいな感覚にすればなんか楽じゃないですか?

伊島 それは僕も望んでることだから、ぜひやってもらいたい。

ラジャン もともと人類にはなかったものじゃないですか、「よその国に行くにはビザが必要だ」みたいなことって。人間って、ここは自分の土地、われわれのモノだってっめちゃめちゃ好むじゃないですか。でも、それがないとみんな乱暴化するのかなとも思いますけど(笑)。

伊島 まさに人種も国籍も全部ミックスして分け隔てなくなるのが一番平和なことなんじゃないかとは思うけど、意外とそうでもないのかもしれないってことだね。いろんな人種や考え方、趣味志向があって、それぞれがお互いに認め合ったり、受け入れられて共存できるってことになれば、それがホントは一番いいんだと思うんだけどね。LGBTQとか障害者の問題まで含めるとなかなか簡単ではないよね。

ラジャン アメリカはいろんな国籍の方がいる多国籍国家になってますよね。でも中を見るとイスラム教徒の人が差別を受けたり、黒人が殺されたりとか、平然と起きちゃっているので、それが世界に広がった時に、ただ悪いことの規模が大きくなるだけかもしれない。全員の見た目も同じ、顔の濃い薄いもなければ黒白もない、全部がミックスして、言語も通貨も統一できれば差別する要素がないから、そこまでいけば成り立つと思う。けど今すぐは難しいですね。

伊島 そうとう時間がかかるね。このMikkusu Magazinもミックスジュースをアイコンにしていて、リンゴとかみかんとかバナナの形がわからない状態になればいいねっていう意味だけど、実際にそれがいいことなのかどうかはわからない。

ラジャン そこまで行けば差別しようがないですよね。全世界じゃなくてもアジア内だったらどこ行っても自由みたいに持っていけば楽しいですよね。

伊島 すでにユーロ圏がそれに近い形にはなってるけど、ヨーロッパはヨーロッパで差別がないかっていうとそういうわけでもなかったり。

ラジャン もっと大きなグループになっていけば、ヨーロッパ、アフリカが繋がって差別がなくなって、アメリカ、南米が繋がって差別がなくなって、いつか全体で差別がなくなったらすごく気持ちいい地球になると思う。だけど人類の歴史を辿ると逆のことが起こってますよね。もともと起源はひとつなのに、そこから分かれてる。例えば日本には外国人が増えてるけど、日本人もどんどん海外に行き始めたら、ローテーションでいつかミックス出来るんじゃないかと思う。ただ母国愛があると中国に行ったとしても日本人の感覚を押し付けるって感じだと、そこでも問題が起きる。人が母国愛を語る理由を勉強した時「なぜ母国を愛してるか?」って質問に答えられる人はめちゃめちゃ少ない。「みんなが愛してるから」って答えがもっとも多くて、他は「そこに住んでるから」とか。「日本人」って誰かに決められたわけではないのに、日本に生まれて周りに日本人がいるから日本人として生きていかなきゃいけない、っていう考えになってるだけらしい。これをどこまで緩和できるかってことなんだと思います。

ほぼ同じような顔の人の国ほど、違うものを受け入れがたい。

伊島 じゃあ、あなたはどこの人って聞かれたらなんて答える?

ラジャン ネパール人って答えてます。大学の先生に聞かれた時「その感覚は間違ってる。」って言われたんです。「どうしてネパール人って答えるの?」って聞かれて「僕の血はネパールだから」って答えたら「血は世界全部一緒だよ。国籍で答えるならそれは間違ってないかもしれないけど。」って言われて。ネパール国籍だからネパールって言ってるんですけど、国を愛するっていう意味で言うと「日本に生まれて日本の血を持ってるから。」って答え方をするらしいです。

伊島 このインタビューはいろんなミックスの人にしていて、いろんなケースがあるんだけど、見た目は白人でも国籍は日本で、日本語しか話せないという人もいる。そういう人が「何人?」って聞かれると「日本人だよなぁ」って感じになる。「だけど見た目は白人だし、いちおうドイツ系日本人って言ってます」みたいな感じ。そういう話をするとき、パッと一言で「日本人です。」って言えない自分があるっていうのは複雑だよね。それはどこの国でも一緒だけど、両親共に日本人でアメリカで生まれ育った子は黄色人種でも「アメリカ人です。」って言えそうだけど、日本ではまだ今のところ簡単にはいかない感じがあるよね。

ラジャン 日本、インド、ネパールとかは見た目の判断から入るから勝手に決めつけられちゃう。外国人の定義は親の国籍なのか、産まれた場所なのかそれとも人種なのか決まってない。その国に暮らしてる人達がほぼ同じような顔の人の国ほど、違うものを受け入れがたい。

伊島 アメリカは移民の国だから見た目じゃなくて英語喋れたらもうアメリカ人でいいよ、みたいな感じだけど、どっちがいいんだろうね?

家でいつでも新鮮な野菜を頼めて届くシステムを作りたいです。

伊島 他にもなにかやりたいこととかありそうだね。

ラジャン 農業とかにもいつか手を出したいと思ってます。言い方は悪いですがやりたいというよりも経営がしたい。

伊島 自分で耕したいわけじゃなくてね(笑)。

ラジャン 家でいつでも新鮮な野菜を頼めて届くシステムを作りたいんです。

伊島 農家と生活者を直接繋ぐということ?

ラジャン 農業が今後流行るって言われてるけど、問題があって。地方の農家でおじいちゃんおばあちゃんがやっていて、後継ぎがいないという理由で潰れている農家が多いんです。話を聞くとけっこう給料良いんですよ。「君の4倍くらい稼げるよ。」って言われる。作物が育たなかったり、台風で全部倒れたとかリスクはあるけど、稼げない業界ではまったくない。逆に稼ぎたいならやれば稼げる。それで流行り始めてるんです。だけど流行でみんなが農業始めたからといって、それだけでなにかが大きく変わるわけじゃない。都内の人がアプリで頼んだら、次の日の朝には、新鮮な牛乳やタマゴ、野菜を自動運転の車が届けてくれる、っていうのがあったら面白いんじゃないかと。

伊島 いろいろ考えるね。

ラジャン 考えだけはいろいろあって、それが実現するかどうかは別問題ですけど(笑)。

伊島 日本はどんどん食料自給率が下がっているから、ホントはもっと農業を活性化させるべきだよね。

ラジャン 現状、肉よりも野菜の方が高くなってるし、日本人は国産というブランドにこだわりを持ってるから、やるべきなんですけどね。

伊島 そういうことだよね。いろいろ面白い話ありがとうございました。

ラジャン こちらこそありがとうございます。

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